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第28回全国有床診療所連絡協議会総会・講演Ⅲ(要約)

_2015.08.25

講演Ⅲ

「診療報酬・介護報酬改定と有床診療所の役割について」

講師: 日本医師会常任理事 鈴木邦彦先生

2015年7月25日・於)水戸プラザホテル

(注:第21回和歌山県有床診療所協議会総会用に要約したものです。)

文責:辻 興

 

中央社会保険医療協議会(中医協)の委員として、前回の改定について説明。

 有床診療所は、地域包括ケアシステムの構築を目指していく中での評価として、病院からの早期退院患者の受け入れ、在宅患者の急変時の受け入れ、在宅医療の拠点、終末期医療、専門医療等を担っていただく。有床診療所の評価としては、栄養管理実施加算を加算に戻し、地域包括ケアシステムの中で複数の機能を担う有床診療所の評価を引き上げ、入院基本料の評価は、有床診療所だけ平均1.2倍、一番低いところは1.4倍、前回の改定の中では破格の引き上げとなった。

これで有床診は歴史的使命を終えたというようなことはもう言われない。ぜひ後継の予定の方にもしっかりとその意義をお話しいただきたい。 

 日医の社会保険診療報酬検討委員会で重点要望事項3ついただいており、特に入院中の患者の他医療機関受診の問題につき、今回その議論は既にしている。急性期7対3入院基本料の施設基準の中に、「自宅等への退院患者割合75%以上」という要件があり、「自宅等」に有床診療所は入ってないというお話があったが、今回調査の結果、ほとんどが在宅に戻っていることがわかったので、その次に向けてはいい方向にいくのではないか。

 有床診の数はいぜん右肩下がりに減っている。小児科、外科の減り具合が多い。

 有床診療所の病床数は減少しているが、残っているところは病床数が多く、やや増加傾向にある。

有床診療所における、入院費の点数は、一見うなぎ登りに見えるが、元が極端に低すぎる為、少し上げただけでも増えたように見えてしまうが、これは問題である。

 入院基本料の算定回数のうち8割弱は入院基本料1から3。入院期間は過半数が30日以内。眼科、産婦人科、耳鼻咽喉科では14日以内が8割超。内科、外科では3割前後。

 入院基本料1から3を届け出る際に満たした要件は、夜間看護配置加算、時間外対応加算、在宅療養支援診療所が多かった。

入院の前後の居場所は、入院前は自宅が多い。入院のニーズは、ほぼ同じか、減少傾向が多かった。減少と答えたのは、外科が多く、産婦人科、眼科では少なかった。退院先は、在宅が8割~9割で、在宅にほとんどの方が戻っている。

 有床診療所の地域との連携関係は良好な関係を築いている。

 今後5年から10年後を見据えての運営の方向性は、現状維持が一番多い。

専門特化か、あるいは在宅支援という方向になっていくのではないか。

中小病院も同じだが、有床診療所は、大病院に比べても非常に安く、低コストで外来もできるので、通常の方はなるべく中小病院、有床診療所へ通うようになれば、効率的になる。この辺、中医協で議論になっていると思われる。

 前回の改定では、今までの急性期の大病院を頂点とした、垂直中心の連携から、地域包括ケアの我々を中心とした横の連携が中心になった。急性期の大病院は外側にいて、たまに一生のうち何回かお世話になる。非常に節目の大きな転換点の改定であった。

第28回全国有床診療所連絡協議会総会・講演Ⅱ(要約)

_2015.08.25

講演Ⅱ

「今後の社会保障について~地域医療構想を中心として~有床診療所への期待~」

講師:厚生労働省医政局長 二川一男先生

2015年7月25日・於)水戸プラザホテル

(注:第21回和歌山県有床診療所協議会総会用に要約したものです。)

文責:辻 興

 

 現在高齢化率25%、2060年39.9%。4割が65歳以上。社会保障の維持、継続に問題が生じる。

厚生労働省予算、毎年最近30兆を少し超え、一般歳出のうちの55%が社会保障費。2000年の段階では、まだ35%だった。社会保障の割合が毎年上がっている。

 政府全体では、公共事業が一番下がって、半分以下まで下がった。ほかも大体主な分野は、若干少し下がっている。

 一方、社会保障は、平成12年から比べると、2倍に近い。

 厚労省の予算、全部義務的経費となっている。

 社会保障は国の税金以外に地方の税金も入り、大きいのは保険料があり、給付費全体で見ると115兆。115兆のうち年金が一番大きく、約5割弱、医療が3割と3分の1、介護その他で残り。将来の見通しは、年金は今後10年で1.1倍、医療は1.4倍、介護も1.9倍、医療、介護の比率が高まる。要するに、年金の比重は社会保障の中で少し下がる。財務省が年金を言わずに、医療、介護を言ってくるのはこうした理由。

 年金はマクロ経済スライドを導入している。保険料率はもう固定。それで入ってくる保険料の中で賄える範囲の年金しか払わない。仮に物価が2%上がっても、年金は1%しか引き上げない。1%分目減りする。そういった形で年金全体の伸びを抑えている。ある意味、年金は持続可能だと言われている。

 医療の場合には、もうこれだけとはいかない。何とか必要な医療を切れ目なく提供しなくてはならない。しかし、無駄を一つ一つきめ細かく見ていかないと、うまくいかない、一つの実現する道として、地域医療構想がある。

 骨太方針、伸びを少し抑えていくことが書いている。医療は大きく、医療で何にもしないと、数値は達成できない。

 医療の中には、医薬品があり、ジェネリックの推進は、財務省も厚生労働省も、これはそうという前提。これまで60%という目標を立てており、これをできるだけ早い時期に80%にすることを目標に立てている。品質とか、供給とか、不安のないようにする。

 地域医療構想は、既に各県ごとに取り組みが始まっている。お互いに同じことを2つやって、みんなで競争し合ってお互いが疲弊する、これではかえって医療費が高くなるし、医療人材も集まらない。

 この地域の医療ニーズはこうというデータをきちっと出して、データも見ながら、話し合いもしながら、役割をお互い認識し合って、自然に協調し合って過不足ない体制を組んでいく。

病床の基本機能は、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つに分けて、自分はどの機能を担うのか考えて頂く。必要な分量は、いろんなデータが出せ、全国でも出せ、各地域の分も出せ、各県へフィードバックしている。

 現在どうなっているか、高度急性期と申告された人が全体の15%。急性期と言われた人が47%、回復期だと言われた人は8.8%、慢性期だという人が28.6%。直感的に見て、回復期が足りない。

 実は、回復期をきちっと定義していなかった。普通、リハビリ病院が回復期と考える。ちょっとした肺炎、ちょっとした骨折、ちょっとした入院的なものは、回復期でなくて、急性期と思われる可能性は十分あり、うちは急性期と報告したところがあると思っている。そこについて、今後議論をちゃんとした上で、ちょっとした入院は、おそらく回復期。 

有床診療所は1割弱が報告をしていない。有床で届け出しているけれども、今、入院部門を閉鎖している場合は、この届け出は必要ない。病床閉鎖していると言っても何の不利もないので、正確なところを言ってほしい。

 高度急性期とは、1日3,000点以上の医療行為をする患者。急性期は600から3,000の間、回復期は225から600の間、こういうふうに、医療需要を計算できるようにした。2025年に必要になるのは高度急性期13万ベッド、急性期40万ベッド、回復期37万ベッド、慢性期も現在より少し減った数になると推計された。

 回復期のベッドが足りないと思われ、病床の機能分化連携で、病床の転換をお願いしたい。今回904億円の基金を活用して、施設設備につき補助するので、転換をお願いしたい。

 施設設備だけでそんな変われない、機能ごとに看護師等の人数が異なってくるので、転換に当たって妨げとならないような診療報酬の設定が必要になる。来年末の診療報酬改定に当たって、これも一つ大きなテーマ。

 医療従事者の需給見通しで、養成数の検討も、今後始めたい。

今の医学部定員のままであれば現在132人に一人、今後は90人に一人になってくる。どのくらい必要かは議論が必要。

有床診療所が非常に重要な役割を担っている地域がある。 有床診療所はちょっとした入院をやっている。大きな病院から一遍に在宅は無理で、ちょっと地域の近いところで入院をして、在宅復帰を目指すパターン。それから、在宅でいるけれども、時々ちょっと悪くなるから入院する。あるいは特に悪くないかもしれないけれども、ショートステイ、要するに、家族の負担軽減のためにちょっと入院したい。こういったニーズがある。それに応えられるのは大病院ではない。

入院の部分に関しては、病院も、有床診療所も、高度急性、急性、回復、どこをやるのかという機能ごとで考えるべきであって、診療所だからだめというわけではないと認識しており、今後、実態を十分に把握した上での評価が必要。

第28回全国有床診療所連絡協議会総会・講演Ⅰ(要約)

_2015.08.25

講演Ⅰ

「日本医師会の医療政策」

講師:日本医師会会長 横倉義武先生

2015年7月25日・於)水戸プラザホテル

(注:第21回和歌山県有床診療所協議会総会用に要約したものです。)

文責:辻 興

 

1.地域包括ケアの推進

-2025年を見据え、かかりつけ医を中心とした「まちづくり」-

かかりつけ医を中心に地域で切れ目のない医療、介護の提供を行なう。医師会はかかりつけ医をしっかりサポートする。

 地域医療構想で医療機能を分化し、人材確保するため、昨年からつくられた地域医療介護総合確保基金で機能分化や人材養成確保を支援し、地域支援事業で医療と介護の連携を支援する。在宅医療も、医療基金や介護基金を使って整備する。

地域医療介護総合確保基金は、当初から3つの使い道を計画していた。1つは、地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設整備。2つ目が、居宅等における医療の推進に関係するもの。3つ目が、医療従事者の確保に関するもの。

昨年10月に1回目の病床機能報告が行われた。急性期を希望する方が非常に多かった。医療需要は、データに基づいて出てくる。一昨年から日本医師会も、今後2025年に向けての二次医療圏ごとの人口の変動と、主要疾病がどれだけ発生するかの予測をたて、その情報を全ての県に送っている。それをもとに、医療需要が将来どう変わっていくかを検討し、自分の診療所、有床診療所の役割をどこに置くかを考えてほしい。

昨年の日本の医療に関する国民の意識調査で、国民がどんな機能をかかりつけ医に望んでいるかの回答で、必要なときすぐ専門医や専門施設に紹介してくれる機能、患者情報を紹介先に適時適切に照会してくれる機能。どんな病気でもまずは診てくれる機能。つまり、まず診療して、そして専門医が必要なら専門医を紹介してということ。

 

2.持続可能な社会保障へ向けて

-国民にとって必要とする医療が過不足なく受けられる社会-

 人口問題で言うと、2060年に8,674万人と推定されている。これから人口が減少し、患者も徐々に減る。それを支える社会保障の財政問題も非常に厳しくなる。

社会保障の発展が生産誘発効果や雇用誘発効果を通じて日本経済が発展している。そして、医療の拡充による国民の健康水準の向上が経済成長と社会の発展に寄与してきた。

老後が不安という多くの国民に安心を示すことが経済成長を取り戻すための出発点。老後の医療、介護の不安を感じさせない政策を願いたい。

 保健医療2035で、塩崎厚生労働大臣の懇談会が20年後の2035年を見据えたビジョンを提案した。量の拡大から質の向上へ。インプット(投資)よりもアウトカム(成果)評価に切りかえるべきということや、規制から自己規律へ変えるべきと提言している。2035年に向けてリーン(無駄のない)・ヘルスケアや、主体的選択を社会で支えるライフデザインや、日本が世界の保健医療を牽引するグローバル・ヘルスリーダーとなるべきという3つのビジョンを掲げて、目標は、人々が世界最高水準の健康医療を享受でき、安心、満足、納得を得ることができる持続可能な保健医療システムを構築して、我が国及び世界の繁栄に貢献する。

 

3.骨太の方針2015等、政府への対応

 骨太方針2015の主な提案は5つ。

① 受診時定額負担の導入。

受診時に毎回一定額を支払うということ。受診を差し控えれば、重症化してから受診となり、逆に医療費の高騰を招く。

社会保障負担は、患者からさらなる一定の負担を求めるよりも、所得や資産の多寡に応じ、応能負担をしっかりやるべき。

② 参照価格制度。

ジェネリックの値段までしか保険償還しないということ。

後発医薬品が流通していない地域では自己負担が大幅に増加する。まず、流通を改善し、後発医薬品普及促進のため、患者や医師の不安を解消する環境整備が重要。

③ 医療費の地域格差解消。

それぞれの地域のあり方を検討して、かかりつけ医機能を推進。そして住民への情報提供や適切な医療行動の啓発を推進し、地域格差を解消すべき。

④ 負担能力に応じた公平な負担。

受診時の定額負担を導入するより、被用者保険の保険料率を公平化することで、医療財源をしっかり確保すべき。被用者保険の保険料率は、協会けんぽに合わせて全て10%にすると、現在の保険料収入と比べ、約1兆3,000億円の増収効果がある。

⑤ 産業政策としての医療の国際展開。

組織的に外国人患者を招致し、営利的な医療を行う提案があるが、解決すべき問題がたくさんあり反対。

 

4.有床診療所の活用

有床診療所の機能は地域に必要で、しっかり有床診療所の役割があることを今後も主張していく。

 有床診療所入院患者の入院前の場所と退院後の場所を見ると、本当に地域に密着している事がわかる。自宅から62%、そして88%が自宅に戻っている。

 有床診療所にとって、看護職員の人件費や医師の勤務負担、施設設備の老朽化が大きな課題。今後の機能強化のために人員強化や継承を推進するための方策が必要。人口減少、超高齢社会の中で使い勝手のよい施設として、国も有効に活用すべきと主張していく。

同じ病床機能を果たしても、有床診は安く買い叩かれている(怒):病院「救急・在宅等支援病床 初期加算」と有床診療所「有床診療 所一般病床初期加算」

_2015.08.23

第28回全国有床診療所連絡協議会総会で、

日医会長に手渡された

次期(平成28年度)診療報酬改定に対する要望事項には

3つの重点項目がありますが、

その3番目の重点項目を、実際に調べてみると

病院と有床診の診療報酬上の待遇の差に愕然としました。

 

「要望事項③(重点項目)」

同じ地域医療を支える受け皿として救急・在宅等支援病床初期加算(14日を限度として、1日につき150点)と点数、査定可能日数が異なるのは不合理である。

一般病床初期加算(7日を限度として、1日につき100点)も同一にして頂きたい。

 

参考)病院:「救急・在宅等支援病床 初期加算」

13対1入院基本料又は15対1入院基本料を算定する病棟に入院している患者のうち、

※ 急性期医療を担う他の保険医療機関の一般病棟から転院した患者又は

「介護老人保健施設」「特別養護老人ホーム」「軽費老人ホーム」「有料老人ホーム」等

若しくは自宅から入院した患者について は、

転院又は入院した日から起算して14日を限度として、

救急・在宅等支援病床 初期加算として、

1日につき150点を所定点数に加算する。

 

参考)有床診療所:「有床診療 所一般病床初期加算」

別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして

地方厚生局長等 に届け出た診療所である保険医療機関に入院している患者のうち、

※ 急性期医療を担う他の保険医療機関の一般病棟から転院した患者又は

「介護老人保健施設」「特別 養護老人ホーム」「軽費老人ホーム」「有料老人ホーム」等

若しくは自宅から入院した 患者については、

転院又は入院した日から起算して7日を限度として、

有床診療 所一般病床初期加算として、

1日につき100点を所定点数に加算する。

 

・・・並べて比較すると

病院か有床診の違いだけで、

提供する病床機能が一緒(※の文は全く同じ!)でも、

加算点数で1.5倍、加算期間で2倍の

大きな差がつけられていることが分かります。

地域医療構想で病院・診療所の区別なく、

地域でどのような機能を果たしているかが病床機能評価の対象となると厚労省は述べていますが、

地域医療で全く同じ病床機能を果たしても、

病院:「救急・在宅等支援病床 初期加算」と有床診療所:「有床診療 所一般病床初期加算」

では診療報酬上の評価に大きな差があるのです。

分かってはいましたが、有床診は病院と比べ、本当に安く買い叩かれています。

当院では加算対象者が多いので、とてもショック(涙)。

どうか、この要望が通りますように(祈)。

 

地域医療構想で有床診が生き残る為には

長年被ってきた理不尽な評価について

(全有協や日医総研がよく分析してくれています)

今こそ行政や国民に情報発信し

評価の見直しを求めていかなくてはならないと

私は思います。

 

今年も8月29日、和歌山県有床診療所協議会総会・講演会・情報交換会が開催されます。

_2015.08.23

今年も8月29日(土曜日)午後4時より

ホテルグランヴィア和歌山6F「アクア・グラン」において

平成27年度第21回和歌山県有床診療所協議会総会が開催されます。

また、午後5時より同会場において武田薬品共催による

和医大紀北分院内科、佐々木秀行教授をお招きしての講演会

そのあと6F「メゾン・グラン」において情報交換会が開催されます。

午後6時ごろより古屋学氏のミニコンサートも予定されているそうで

有床診関係の皆様、ふるってご参加の程宜しくお願い致します。

和有協事務局を務められている奥 篤会長、そして奥クリニックの皆様、

今年もご準備、本当に有難うございます。

静岡県医師会では「医療介護の総合確保基金」を用いた有床診立て直し策を模索している。

_2015.08.18

第28回全国有床診療所連絡協議会総会では、

次期開催県の静岡県医師会会長挨拶の中で

「医療介護の総合確保基金」を活用した

有床診立て直しへの取組が紹介されました。

そして

和歌山県医師会との対応の違いに愕然としました。

私も田辺市医師会を通じて、

「医療介護の総合確保基金」を用いた事業案として

有床診立て直し案を県医師会に提出したのですが、

和歌山県医師会からも、田辺市医師会からも

どう処理されたかの返答すら

頂けませんでした(怒)。

因みに、和歌山県は、

県医師会内に

和有協事務局や有床診療所部会の設置すら

なされていない

とても大変な状況にあります。

これまで何度も県医師会移動懇談会等を通じて

県医師会幹部に訴え続けていますが

未だ音沙汰なしの状況です。

県医師会理事には現在

病院と無床診療所の医師しかおらず

有床診の実情を県医師会が把握できるとは

思えません。

地域医療構想作成に

県内の病床の状況を把握していることを前提に

大きく関わる様、日本医師会から依頼を受けているはずの

県医師会が、この状況で

的確に有床診の病床を地域医療構想策定に

割り振り出来るとは思えず

和歌山県下の有床診は

地域医療構想策定から取り残されるのではないかと

危惧しています。

 

以下、内容を文字に起こして、

読みやすく修正を加えました。

 

IMG_8064

「次期総会開催県、静岡県医師会会長篠原彰先生ご挨拶」

 

来年、7月30日、31日、

静岡のホテルセンチュリーで開催する。

メインテーマは、

「これからの有床診療所をめぐる諸問題とその改善方法」

静岡県でも有床診療所が激減し、

現時点で240。まだ減り続けている。

特に内科や外科の有床診が大勢いたが、だんだん減って、

静岡も4割は産婦人科。

高齢化が目立ち、病床の稼働率が非常に低い。

県医師会として、平成26年度に医療介護の総合確保基金を活用し、

有床診療所を立て直したいという思いがあり計画を作った。

有床診からいろんなアンケートをし、

実際に県医師会の職員が訪問し聞き取り調査等を行った中で、

悩まれていることは一緒で、

人材の問題。当直医の問題、当直の看護師の問題、

この辺が解決できないとこれから有床診を有効活用することは難しい。

本県としては、この基金を活用して有床診を立て直そうと、

人件費を何とか補填できないか県と折衝した。

ところが人件費については難しいという答えがあり、

26年度の計画、今、ちょっと頓挫している。

ただ、27年、基金は積み立てており、

計画変更した上で改めて国にもっていこうと考えている。

静岡県もナースバンクがあるが、十分機能してない。

人材派遣会社からの派遣が非常に増えている。

何とかその辺を手がかりにしながら、この基金を活用しながら、

人材が派遣できるような方法をとれないか考えていきたい。

 

 

第28回全国有床診療所連絡協議会総会における日医会長への要望書

_2015.08.18

※同要望書の内容は当ブログ既出ですが、

ICレコーダーに録音した

葉梨全有協会長の解説に

とても解りやすく

この要望のエッセンスが述べられておりますので

文字起こしをして追記致します。

(一部読みやすく修正を加えています。)

特に③④⑤の解説部分は

日医や厚労省の方に

本当に理解しておいてほしいところだと

私は思います。

 

IMG_8056

『日本医師会長への要望書』

 

日本医師会におかれましても、

有床診療所へのさらなる支援をお願いしたく、

以下の事項を要望します。

①有床診療所の機能強化のための診療報酬引き上げ。

②有床診療所新規開設規制の緩和。

昨年660の有床診療所が閉鎖になり、

85の新規有床診療所ができたが、

各地域で有床診療所はなかなか認可がおりない現状があり、

規制緩和をお願いしたい。

③施設継承時の相続税問題の解消。

中小企業の相続税は80%猶予減免で、

贈与税も100%減免になっており、

そういう中小企業対策と同じような、

小さな医療機関に対する対策がまだ何もないので、

宜しくお願いしたい。

④スプリンクラー設置の補助金継続及び建築費用高騰の対策をお願いしたい。

スプリンクラーの補助金が昨年度101億、

今年度206億出たが、

建築費用や、

人手不足で、

見積もりが高く出て、

それぞれの医療機関の持ち出しになっており、

対策をお願いしたい。

⑤有床診療所協議会からの中医協委員の推薦のお願い。

今まで中医協の委員に有床診療所の会員がなったことはない。

病院の委員か、無床診療所の委員がなっており、

我々が了解しない状態でも中医協を通ることがあり、

後で非常に困ったことがあった。

できれば中医協の委員に有床診療所からも推薦をお願いしたい。

 

 

8/13,14,15は、お盆休みの為、休診となります。

_2015.08.08

IMG_9491

お盆休みとして

8月13日~15日は

外来診療を

休診とさせて頂きます。

尚、お休み中にお薬が切れる方は

お休みの前の受診を

お願い致します。

IMG_3976 - コピー

ご迷惑をお掛け致しますが

宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 

「有床診療所は病院とは本当に違う」・・・病院に無い有床診療所の優位点。

_2015.08.07

当院は父の代に有床化して

今年で有床診療所として39年の歴史を有します。

この間 父も私も有床診療所という形態に

とても拘ってきました。

有床診を運営している医師の中には、

いずれ拡張し病院にしたいという方もいて、

実際に有床診が病院になったケースも沢山あります。

当院にも病院化を検討する機会が

これまでに何度かありました。

でも 迷わず拒否してきました。

病院運営には規制が多く、

我々にはとても煩わしく感じられます。

患者様を診る前に、

運営で消耗してしまいます。

また、あまり他人に任せたくない。

自分で患者様を診たい。

自分で責任を持って

自分で見渡せる範囲で

入院診療も在宅診療もしたい。

だから、私が院長の限り、

この方針は今後も変わりません。

 

父も私も

長年総合病院の勤務医をしていて

小回りの利かない、

融通の利かない病院という組織形態に

地域医療における限界を感じていて

組織の隅々まで院長の目が行き届く

最適なサイズ、

19床という有床診療所に魅力を感じて、

今に至っています。

 

先日、水戸で開催された

「第28回全国有床診療所連絡協議会総会」の冒頭

葉梨会長が挨拶で

有床診と病院との違いを述べていて

共感しました。

注)以下は、葉梨之紀会長挨拶の一部抜粋・・・ですが、

聞き取れなかった部分、

よく解らなかった部分に私なりの解釈を加え、

(余計な?)加筆をさせて頂きました(謝)。

IMG_8026

「有床診療所は病院とは本当に違う。

病院と違って色んな規制が無い。 確かに診療報酬は本当に安い。

総医療費の大体1.1% 有床診療所の費用というのは、

総医療費が36兆円から39兆円に上がっても、

大体4000億前後で全体の1.1%位しか使っていない。

そういう点では非常に苦しいが、 地域ではとても頼りにされている。

行政とも色々やり取りが出来る。

患者様に対する医師としての働きかけにも 我々有床診には夢がある。

小回りの利くベッドがあるので 色々なことをやろうと思えばやれる。

地域の人達の生活に入って 色々な援助もできるし、

医療的に幅広く相談に乗ることも出来る。

病気は生活に密接に結び付き、回復しないこともあるが、

そうした場合も、地域にベッドがあることで、

我々は十分に貢献することができる。」

IMG_8483

・・・ICレコーダー2台をもってしても

聞き逃した部分があって

飛躍した解釈の部分もあるかもしれませんが

どうかお許しを(謝)。

 

ということで、文責は私にあります。              

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