水戸の総会が終わってまだ4日というのに
早速
「有床診療所現状調査」が
全有協葉梨会長と日医横倉会長連名で
届きました。
平成21年より2年おきに日医総研が実施下さっていて
詳細で客観的な最新データを収取することで
今後国と議論を行う上でのエビデンスを構築下さっています。
施設票と財務票、患者票の3部で構成されていて
施設票の最後では
前回改定の影響を調査下さっています↓。
「よくぞ聞いてくれました」(笑)という良問です。
前回改定の影響(〇は1つ)
①在宅療養支援診療所(強化型)の常勤医師3名確保について
1.大きな問題、2.問題、3.やや問題、4.特に問題ではない
当院の回答:1(今の入院基本料では医師は雇えません、父と私の2人がやっと。)
②入院患者の他科受診における減額について
1.大きな問題、2.問題、3.やや問題、4.特に問題ではない
当院の回答:1(当院の治療は変わらず継続し、その上他科受診のコーディネートも必要となり手間暇は増えるのです。増額の間違いでは?)
③急性期病院の在宅復帰率の算定の対象として有床診療所が含まれていないことについて
1.大きな問題、2.問題、3.やや問題、4.特に問題ではない
当院の回答:1(只今当院も打撃を受けていて、病床稼働率低下中。)
↑↑ 聞かれてもいないのに、
理由までつけてみました(笑)。
この調査結果が、
これまでもしっかりと
厚労省の診療報酬上の評価に反映されており
我々有床診存続にとって極めて重要な調査なのです。
前回の回収率は30.4%(839施設)とのことで
有床診の皆様、頑張ってこれを埋めて
厚労省に有床診の不遇な現状を理解頂き
より一層の評価に繋げましょう(真面目)。
・・・でも、私だけではとても埋められず
事務さんと会計士さんにもお願いして、
しっかり埋めて提出したいと思います。
↑ 日医総研の江口成美先生が前回調査でまとめられた
「日医総研ワーキングペーパー~平成25年 有床診療所の現状調査~」
有床診の客観的エビデンスとなり厚労省を動かし
前回診療報酬改定で有床診正当評価への道筋を切り拓いた。
一張一弛の「弛」
水戸・偕楽園(かいらくえん)
にある・・・
好文亭
好文亭内部↑
1F↑
2F↑
好文亭2Fからの偕楽園の眺め↑
黄門様を祀る常盤神社↓
その横に・・・
・・・?
・・・??
・・・???もしや、水戸の秘宝館?!(※注)
・・・なんと
中は撮影禁止(笑)。
気になる方は水戸へどうぞ。
(※注)極めて由緒正しい歴史博物館です(謝)。
今年も7/25.26の2日間、
茨城県水戸市で開催された
第28回全国有床診療所連絡協議会総会・講演会
に参加してきました。
会場の水戸プラザホテル↑
全有協↑
日医↑
日医横倉会長講演↑
厚労省医政局長 二川一男氏講演↑
厚労省 医療課課長補佐 井口 豪氏基調講演↑
シンポジウム ディスカッション↑
↑日本医師連盟 次期(H28年7月)参議院比例代表(全国区)選挙
推薦候補者 自見(じみ)はなこ氏 (東京都医師会所属)
庶務報告や、日医会長講演によると
残念ながら会員数はこの1年回で
3171名(平成26年3月31日)から
2934名(平成27年3月31日)に減少し、
有床診療所の年間廃止数も
2011年:388施設
2012年:390施設
2013年:656施設
2014年:580施設
と減少が続き
1990年に23589施設あった有床診療所数は
2014年で8327施設と3分の1に激減し
未だ有床診減少に歯止めが掛からない状態です。
有床診存続への問題も山積しておりますが、
しかし明るい兆しもあって
有床診新規開設数が
2011年:81施設
2012年:67施設
2013年:76施設
2014年:85施設
と、減少から増加に転じてきているようです。
この会では毎年
我々有床診にとって、本当に重要な情報が発信されており、
この内容をまとめて
来る8/29日、ホテルグランヴィア和歌山で開催される
和歌山県有床診療所協議会総会において
奥会長と共に報告させて頂く予定ですが、
取り合えずここでは
最も大切と考えられる項目
全有協総会で採択され
日医横倉会長へ全有協葉梨会長から手渡された
「要望書」の内容をお伝えします。
最大のポイントは
「次期診療報酬改定に対する要望事項」の③だと考えられます。
前回の改定で悪い影響も生じていて、なんと
「急性期病院の在宅復帰率の算定の対象として有床診が含まれていない」
のです。
これにより
各地で7対1病棟から有床診療所への紹介・転入院がしづらい状況に陥っており
実際に紹介・転院の減少が全国で報告されているとのことで、
これは深刻な事態です。
当院でも改定後、地域中核病院からの紹介率が最近減っているのですが
これが原因だったようです。
当院にとっても、早急に解決してほしい重要項目です。
全有協はいつもながら
地域の有床診のおかれた現況をよく分析し活動してくれていると感心します。
日医(国)も日医総研を中心として
有床診療所の現状調査を行い、動向を分析し
ワーキングペーパーで客観的なエビデンスを構築下さっています。
我々有床診の守護神である、日医総研、江口成美先生に心より感謝です。
要望書(以下、総会パンフレットからの内容のコピペです)
わが国では、自民党安倍内閣発足当初から、財政再建を最大の課題として取り組んでおり、全般的な歳出予算の削減を目指しています。
社会保障費はその削減の目玉とされ、医療費抑制を第1の目標に掲げ、公的保険給付の見直し、サービス単価の抑制、負担能力に応じた公平な負担、また、医療提供体制の改革、重複受診等の無駄の排除や予防の推進等、医療の効率化に幅広く取り組む一方、医療・介護の質は維持するとなっています。更に診療報酬本体・介護報酬は全体としてマイナスに、薬価改定は引き下げるが診療報酬本体の財源とはしないと明言しています。(6月1日財政制度等審議会報告)
有床診療所においては、平成26年4月の診療報酬改定で入院基本科の改善が行われましたが充分ではなく、現在も全国で減少を続けており、昨年1年間で更に660施設が病床閉鎖し、ここ20年間で1/3の施設数となりました。
この医療の縮小経済の中で、今後の地域医療・在宅医療を支える地域包括ケアシステムを構築するためには、有床診療所の役割はますます重要であり、システムの中核としての活躍が期待されているところです。
日本医師会におかれましても、有床診療所への更なる支援をお願いしたく以下の事項を要望致します。
要望事項
1有床診療所の機能強化のための診療報酬引き上げ(別紙)
2.有床診療所新規開設規制の緩和
3.施設継承時の相続税問題の解消
4.スプリンクラー設置の補助金継続及び建築費用高騰の対策
5.有床診療所協議会から中医協委員の推薦
別紙:次期(平成28年度)診療報酬改定に対する要望事項
①重点
点数項目:第2部入院料等 通則 事務連絡 入院基本料
具体的内容:入院中の患者の他医療機関への受診についての取扱いの見直し:有床診療所は単科が多く、必要に応じて他医療機関の受診がどうしても必要となる場合が多々ある。この制限により入院医療の多大な減収を強いられ、また地域の医療連携が著しく阻害されている。他医療機関受診時の一般病床の30%減算、療養病床の70%減算の撤廃を望む。
②重点
点数項目:A100一般病棟入院基本料 7対1入院基本料の施設基準
具体的内容:施設基準の見直し
前回の改定で、7対1入院基本料の施設基準の中に、自宅等への退院患者割合75%という要件が新設されたが、「自宅等に退院するもの」の中に有床診療所が指定されておらず、7対1病棟から有床診療所への紹介・転入院がしづらい状況にあり、実際減少している。これは地域の医療連携を損なうものであり、また国が推進している病床の機能分化・連携にも合致しない。地域包括ケア、在宅医療の要である有床診療所への転入院を認めていただきたい。
③重点
点数項目:A108有床診療所入院基本料 注3 有床診療所一般病床初期加算
具体的内容:同じ地域医療を支える受け皿として救急・在宅等支援病床初期加算(14日を限度として、1日につき150点)と点数、査定可能日数が異なるのは不合理である。一般病床初期加算(7日を限度として、1日につき100点)も同一にして頂きたい。
参考:現行点数100点、7日を限度→要望点数150点、14日を限度
④
点数項目:108有床診療所入院基本料 注5医師配置加算
具体的内容:医師配置加算の引上げ
地域医療に貢献するためには、有床診療所も複数医師体制が望ましい。現在の加算点数では複数医師を抱えている有床診療所の経営は厳しく、その体制構築のためには医師配置加算の大幅な引上げが必要である。
参考:現行点数:医師配置加算1.88点、2.60点→要望点数:医師配置加算1.150点、2.100点
⑤
点数項目: A108有床診療所入院基本料 注6夜間看護配置加算
具体的内容:夜間看護配置加算の引上げ
夜勤看護師の確保が困難な状況にあり、看護師の待遇改善のため、また医療の安全確保のためにも手厚い評価を望む。
参考:現行点数:夜間看護配置加算1.80点、2.30点→要望点数:夜間看護配置加算1.100点、2.50点
⑥
点数項目:A108 109入院基本料
具体的内容:入院基本料の引上げ
前回の改定で有床診療所入院基本料の若干の引上げがあったが、まだまだ十分ではなく、改定後も50~60/月のベースで有床診療所の減少が続いており、歯止めがかかっていない。今後構築される地域包括ケアシステムの中で、重要な役割を果たしていかなければならない有床診療所存続のためには更なる入院基本料の引上げが必要である。また、前回引上げのなかった有床診療所療養病床入院基本料も同様な引上げを望む。
参考:現行点数:入院基本料1-イ861点、入院基本料A994点など→要望点数:入院基本料1-イ960点、入院基本料A1100点など
⑦
点数項目:A180 190入院基本料
具体的内容:栄養管理実施加算の施設基準の見直し
施設基準に「常勤の管理栄養士が1名以上配置されていること」となっているが、栄養管理を行える体制が整備されていれば、非常勤の管理栄養士の場合も認めていただきたい。
⑧
点数項目:A108入院基本料
具体的内容:有床診療所入院基本料1、2、3の施設基準の見直し
算定要件に複数の機能を担っていることとなっているが、眼科等では算定困難な状況である。算定要件の一つに「1年間の全身麻酔、脊椎麻酔又は硬膜外麻酔(手術を実施した場合に限る)の患者数があわせて30以上であること」とあるが、L005上・下肢伝達麻酔、L006球後麻酔及び顔面・頭頚部伝達麻酔の場合も認めていただきたい。
⑨
点数項目:A108入院基本料 注6 看護補助配置加算
具体的内容:看護補助配置加算の引上げ
前回の改定で新設されたことは評価で出来るが、看護補助者が2名以上で10点ではあまりにも低すぎる。
参考:現行点数:看護補助配置加算1.10点、2.5点→要望点数:看護補助配置加算1.20点、2.10点
⑩
点数項目:特定入院
具体的内容:有床診療所地域包括ケア病棟入院料の新設
地域医療構想の中で病床の機能分化と連携の推進が望まれている、亜急性期を担う病床の整備が必要とされており、前回の改正で地域包括ケア病棟入院料が新設されたが、必要病床数にはほど遠い状況である。そこで、今後地域包括ケアシステムの中で重要な役割を担う有床診療所にも同様な地域包括ケア病棟入院料の設定をお願いしたい。
和歌山のお隣から参加されていた先生が
「全国で一番有床診の多い福岡出の横倉会長になられてから、
日医はより一層有床診の声に耳を傾けてくれるようになった。」
と言われていましたが、
ここ数年参加されている多くの方が
それを実感しているようでした。
有床診のブレインとして奔走下さっている
日医総研主席研究員の江口成美先生に、
和歌山に講演でお越し頂いた際
有床診看取り加算が
入院後30日以内しか認められない理不尽さを
お伝えしたのですが、
しっかり覚えていて下さっていて
今回の要望には盛り込まれていないけれど、
引き続き働きかけて下さっている旨の
温かいお言葉を頂き
とても感動(感謝)。
有床診の女神さまが
温かく御見守り下さる限り
我々はなんとしても
地域医療から有床診の火を絶やしてはならないと
気合が入ります。
懇親会は地方都市での開催の方が
郷土色が強くて楽しいです。↓
懇親会後、偕楽園で披露された
茨城県民も初めて見る?
国の重要無形民族文化財
伊那の綱火↓
「伊那の綱火」とは
茨城県つくばみらい市(旧 伊奈町)に伝わる民俗芸能で、
空中に綱を張り、仕掛け花火を組み込んだ人形を操り芝居を行うものです。
その歴史は江戸時代初期にまで遡ると伝えられ、
国の重要無形民族文化財に指定されています。
現在は小張地区の「小張松下流綱火」、高岡地区の「高岡流綱火」
の二流派がその伝統を受け継いでおり、
毎年夏、各地区の神社の祭りにおいて奉納・公開されています。
(水戸観光協会HPより)
「燃え尽きちゃうの?!」
と誰かが叫んでいました(笑)。
今年も7月25日(土)午前10時12分頃、当院、港方面出口(駐車場側)に流鏑馬が来訪致します。
その為、同日午前中の港方面出口(ピロティ)への駐輪・駐車を禁止させて頂きます。
また、役馬受けの間(約10分程)、外来診療は休止させて頂きますのでご了承願います。
ご来院の皆様にはご迷惑をお掛け致しますが、宜しくお願い申し上げます。
台風12号が微妙・・・。
※尚、水戸で開催される全国有床診療所連絡協議会総会出席の為、7/4(金)午後、および7/25(土)午前の院長外来(辻 興:1診)は休診とさせて頂き、同時間帯の外来診療は啓次郎理事長(2診)が担当致します。ご理解宜しくお願い致します。