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日本医師会は都道府県医師会の有床診療所支援対策に予算を付けてほしい

_2014.02.23

今日は天気に恵まれ、娘とみなべ梅林に行ってきました。

今が見ごろ。

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ちょっと混んでて、駐車場に入るのに1時間待ち・・・。

新宿のデパートでの休日の駐車場待ちを思い出しました。

 

今年、和歌山県有床診療所協議会は設立20周年を迎えます。この記念すべき年に、有床診療所入院基本料増額がようやく成し遂げられたことはとても嬉しく思います。

でも、これまでがあまりにも酷く、この程度の増額では有床診の減少に歯止めがかかるとは到底思えません。有床診が担う診療内容からすれば、まだまだ低すぎる評価で、今回の増額程度では有床診の経営改善には結びつかず、有床診の継承や施設更新は厳しいと考えられます。ビジネスホテル以下の報酬で地域の駆け込み寺としての役割や看取りを担っていくのはとても厳しく、次期改定では、より一層、有床診の経営が健全に成り立つだけの増額を求めていく必要があります。

今回、不十分ながら有床診入院基本料増額に至った要因は、地域医療に長年貢献してきた福岡有床診療所の火災にあると思われます。皮肉なことに、診療報酬改定前に発生したこの火災で有床診療所の極めて厳しい経営環境がようやく本気で論議されることとなりました。それまで全国有床診療所連絡協議会や地方の協議会が有床診療所への医療政策上、そして診療報酬上の不当な評価を日本医師会や行政に訴えても、あまり聞く耳をもってくれませんでした。もっと早く有床診療所の訴えに真摯に耳を傾けてくれていれば、災害の防止に結びついたはずで、とても歯がゆい思いです。

残念ながら、まだまだ日本医師会の、有床診療所に対する冷たい対応が目立ちます。県医師会が主催する県理事と地域医師会との懇談の場である、移動懇談会の席で、昨年末、私はいくつかの有床診からの要望を提出しましたが(※)県医師会の回答は極めて消極的なものでした。その一つは、現在、和歌山県有床診療所協議会会長の診療所で担っている事務局機能を和歌山県医師会事務局で担ってほしいというものでした。数年前にも、同じ要望を私は提出しており、その時は「病院協会は自前で行っており、有床診療所だけに援助は行えない」と却下されました。今回私は、「あまりに抑制された入院基本料の為に、激減し、高齢化が進み、絶滅に瀕する有床診療所が、圧倒的に人手が少ないにも関わらず、報酬面で優遇されている病院と同等に扱われ、比較される理由が分からない」と、意見を付けて再度要望したのですが、今回の県医師会の返答は「和歌山県外科医部会や内科医部会が事務局機能を部会長の診療所で担っているのに、有床診療所だけ例外にはできない」旨の回答でした。正直、前回よりも酷い、屁理屈のような却下理由でした。恐らく、トップは今の体制を変えるつもりなど更々ないのでしょう。県の担当理事は、かつて有床診を経営されていた方で、とても親身に対応下さり、事情もよくお分かり頂いているのですが、県医師会の予算に余裕が無い為、却下せざるを得ないとのことでした。

今回の移動懇談会で確信したことは、県医師会にいくら直訴を続けても、有床診の経営者が県の医師会長にでもならない限り何も変わらないであろうという事。県医師会ではなく日本医師会中央部に直接訴える方が効果的であるという事。事実、日医総研に要望を訴えたところ、これまでになく、とても親身で、丁寧なご回答を頂くことができました。

地方に散らばる有床診療所の声を、有床診療所協議会が存在しない東京の日本医師会本部に届ける為には、都道府県医師会が地域の有床診療所の声に十分に耳を傾けて頂く必要があります。しかし、残念ながら都道府県医師会ごとの協力体制はまちまちです。和歌山県医師会とは独立した組織である和歌山県有床診療所協議会では、運営の為、会員から会費を徴収させて頂いていますが、他の県医師会では有床診療所協議会事務局機能を医師会事務局が担い、且つ、運営費用も捻出しており、経営難の有床診療所から会費を徴収していないところも存在します。都道府県医師会によって有床診療所や同協議会への協力体制に大きなばらつきがあるのです。日本医師会には都道府県医師会ごとに有床診への支援体制に大きな格差がある現状をしっかり把握頂き、これを改善する為、事務局機能を都道府県医師会一律に持たせるだけの予算を確保してほしいと思います。そして、有床診の現状をしっかり見据え、都道府県医師会の有床診療所への支援体制をしっかり管理して頂きたいと思います。そうすることで、和歌山県で福岡の様な災害が発生するのを未然に防ぐことができるのではと考えます。

日本医師会はお役所と似ていて、トップダウンでないと大きな変革は望めず、直に惰性に陥ります。有床診への正しい認識が広まりつつある今こそ、日医会長には医師会員である有床診をこれまでの様に放置せず、有床診の危機的状況を、今後も日医がしっかり把握できるシステムを都道府県医師会内、そして日医本部内に構築頂きたいと思います。

※昨年12月の和歌山県医報に要望内容を掲載頂きました。また昨年10月4日付の当ブログにも掲載しています。ご一読下さい。

水鉄砲抄2013

_2014.02.17

朝は朝日新聞(朝刊)、夕は紀伊民報(当地方随一の地域新聞)を読みながら食事を取る。テレビは見ない。でも最近はスマホでニュースが何時でも読めて、朝刊が配達される前に全国ニュースがわかってしまう。ネツトに先を越され、力を失う全国紙と異なり、地方新聞は今も地域の最新情報を伝えてくれる。地域より即座に全国に発信され、翌朝全国紙の一面を飾る。今や、最新情報の多くは地方新聞発ではなかろうか。その地方新聞は近年、より機動力を増し、全国紙を上回る質の高い取材を敢行している。事実、紀伊民報の記事が翌日ネット記事や全国紙の一面を飾ることも決して珍しくなくなった。

昨年福岡で発生した有床診療所の火災記事にしても、全国紙が随分適当な記事を掲載しているのに対し、九州の地方新聞は極めて核心に迫った記事を連発し、それがネットで配信され、とても興味深かった。恐らく多くの政治的規制に縛られている大手新聞社の記事よりも、ありのままを伝える地方新聞の記事の方が格段に面白くなっている。その地方新聞の社説はその最新記事に関する最新の知見であり、面白くないわけがない。私には、朝日新聞の「天声人語」よりも紀伊民報のコラム「水鉄砲」の方が面白く感じる。みんなが思っていることを全国紙がちゃんと述べなくても、地方新聞のコラムがズバズバと指摘してくれている。それが医師である私にとって、良い精神安定剤となっている。

紀伊民報のコラム「水鉄砲」を執筆されている、編集局長の石井晃様(朝日新聞大阪本社で社会部記者、社会部次長、論説委員、編集委員等を歴任され、母校、関西学院大学で論文の講義も受け持たれている)から、今年もこれで6冊目になる「水鉄砲抄」を頂いた。昨年から回数が増え、週三回もこの緻密な文章を書かれているそうで、あとがきに、「その分、内容が薄くなったか、それとも回数が増えて調子が上がってきたか。判断はお任せするが・・・」と述べているが、心配は無用。私は相変わらずウンウン頷きながら拝読させて頂いている。地域が抱える問題に真っ向から対峙し、天声人語をも凌ぐコラムとなっている。以前にも書いたが、当地域に住む我々の気持ちを代弁してくれる「紀伊民報」と「水鉄砲抄」は、地域住民をペンの力で守ってくれている様に思う。極めて閉鎖的なこの紀南の地域社会が、「未来世紀ブラジル※」の様な恐ろしい社会にならない様、これからも、ペン、いや紀南の世論を味方に付けた水鉄砲で、この地域を見守ってほしい。

尚、「水鉄砲」は紀伊民報HPのニュースサイト「AGARA」でも配信されています。

(※当ブログ2012年3月記事参照)

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当院待合の蔵書人気ナンバー1。

最新刊は1Fロビー1とロビー2に1冊づつ置かせて頂いています。

読み終わりましたら元の場所にご返却願います。

 

H26年4月改定有床診療所療養病床入院基本料

_2014.02.13

厚労省のHPに公開された

中央社会保険医療協議会総会(第272回)議事次第

のPDFファイル

「医科診療報酬点数表」

より一部抜粋した

平成26年4月改定後の「有床診療所療養病床入院基本料」です。

※実際には(注)が併記されています。

必ず厚労省HPでご確認下さい。

 

入院基本料A 994点

(生活療養を受ける場合にあっては、980点)

入院基本料B 888点

(生活療養を受ける場合にあっては、874点)

入院基本料C 779点

(生活療養を受ける場合にあっては、765点)

入院基本料D 614点

(生活療養を受ける場合にあっては、599点)

入院基本料E 530点

(生活療養を受ける場合にあっては、516点)

 

参考)現行の有床診療所療養病床入院基本料

入院基本料A 986点

(生活療養を受ける場合にあっては、972点)

入院基本料B 882点

(生活療養を受ける場合にあっては、868点)

入院基本料C 775点

(生活療養を受ける場合にあっては、761点)

入院基本料D 613点

(生活療養を受ける場合にあっては、599点)

入院基本料E 531点

(生活療養を受ける場合にあっては、517点)

平成26年4月改定有床診療所入院基本料

_2014.02.13

厚労省のHPに公開された

中央社会保険医療協議会総会(第272回)議事次第

のPDFファイル

「医科診療報酬点数表」

より一部抜粋した

平成26年4月改定後の有床診療所入院基本料です。

※実際には(注)が併記されています。

必ず厚労省HPでご確認下さい。

 

有床診療所入院基本料1

イ 14日以内の期間 861点

ロ 15日以上30日以内の期間 669点

ハ 31日以上の期間 567点

有床診療所入院基本料2

イ 14日以内の期間 770点

ロ 15日以上30日以内の期間 578点

ハ 31日以上の期間 521点

有床診療所入院基本料3

イ 14日以内の期間 568点

ロ 15日以上30日以内の期間 530点

ハ 31日以上の期間 500点

有床診療所入院基本料4

イ 14日以内の期間 775点

ロ 15日以上30日以内の期間 602点

ハ 31日以上の期間 510点

有床診療所入院基本料5

イ 14日以内の期間 693点

ロ 15日以上30日以内の期間 520点

ハ 31日以上の期間 469点

有床診療所入院基本料6

イ 14日以内の期間 511点

ロ 15日以上30日以内の期間 477点

ハ 31日以上の期間 450点

 

参考)現行の有床診療所入院基本料

有床診療所入院基本料1

イ 14日以内の期間 771点

ロ 15日以上30日以内の期間 601点

ハ 31日以上の期間 511点

有床診療所入院基本料2

イ 14日以内の期間 691点

ロ 15日以上30日以内の期間 521点

ハ 31日以上の期間 471点

有床診療所入院基本料3

イ 14日以内の期間 511点

ロ 15日以上30日以内の期間 381点

ハ 31日以上の期間 351点

一番要件の厳しい有床診入院基本料1算定でも入院1日5670円(入院期間31日以上):ビジネスホテル以下!

_2014.02.13

本日付朝日新聞朝刊(大阪本社版)に

中央社会保険医療協議会が2/12にまとめた

今年4月からの診療報酬改定内容が掲載されています。

「急変時の患者受け入れや訪問診療などをしている有床診療所の看護体制が手厚い場合、入院基本料(入院期間14日以内)は900円増の8610円」

と記載されています。

厚労省HPに掲載された同協議会議事次第によると、これは有床診療所入院基本料1の場合の点数です。

有床診療所入院基本料1

改定後

14日以内の期間:861点(現行771点:90点増額)

15日以上30日以内の期間:669点(現行601点:68点増額)

31日以上の期間:567点(現行511点:56点増額)

有床診入院基本料1を算定している当院では14日以内900円、15日以上30日未満680円、31日以上560円増額となりますが、当院入院中の多くの患者様が入院後31日以上経過しており、14日以内はほとんど存在しません。今後も在宅や介護施設での療養が困難な状況の方ばかりで、入院継続を余儀なくされています。

私個人の意見としては、有床診療所の経営上、最も大切な31日以上入院の有床診入院基本料が低く抑えられたことは致命的です。

要件の一番厳しい有床診療所入院基本料1算定でも、1日の入院基本料は31日以上入院では1日5670円しかありません。

人の生死を扱い、看取りも担う有床診療所の評価が依然としてビジネスホテルよりも安いのです。

1日5670円で看取りを担う施設など有床診療所を除いて存在しません。

ビジネスホテルより安い料金で人の生死に責任を持たされ続けては、有床診存続など不可能です。

これでは有床診療所の継承どころか高額の費用を要する施設の更新など絶対不可能です。

厚労省も、以前に比べて有床診の声に耳を傾けてくれるようになりました。

有床診入院基本料本体が全般的に僅かに増額されたことも、評価に値します。

施設基準に基づく加算点数も設定されており、加算を全て確保すれば、辛うじてビジネスホテル並みを確保できそうで、これもそれなりに評価できます。

でも、後継者を擁立できず高齢化し、老朽化した現存する有床診にとって、正直、加算確保の要件は厳しい。

国には、加算に依存せず、有床診入院基本料のみで経営が成り立つ様な有床診入院基本料を設定してもらわなくては

有床診減少に歯止めをかけることは困難なのです。

間違いなく有床診にとって冬の時代が続きます。

今のままでは

我々には、赤字経営のもと、これからも正当な入院基本料設定を医療行政に訴えていくか、

苦労ばかりで割の合わない有床診療所経営を諦めるしかありません。

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「消費税対応分として有床診入院基本料2%程度引き上げ(厚労省事務局案)」・・・これでは有床診減少を加速させます!(怒)。

_2014.02.06

2月5日付日医ニュースにおいて、今年1/8に開催された「第10回医療機関等における消費税負担に関する分科会」の報告が掲載されています。この中で、厚労省事務局は「有床診療所入院基本料2%程度引き上げ(消費税対応分)」を提案しているようです。

これでは3%の消費税増税分に足りず、より有床診への負担が増します。

福岡有床診療所火災の後で議論も尽くされてきており、有床診の「駆け込み寺」としての地域医療での必要性、それに見合わぬ危機的経営状況を厚労省は十分把握しているはずにも関わらず、消費税増税分の穴埋めすらちゃんと行わず、わずか2%の増額を提案してくるのは、やはり、厚労省は有床診の有用性を理解していると表では発言していても、実際は、「有床診潰し」を継続して行っているとしか思えません。

これが厚労省の思惑なのでしょうか?

有床診入院基本料の正当な増額が、有床診が注目されている今回の改定で獲得できなければ、有床診存続は絶望的かもしれません。

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