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研究の履歴

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研究の履歴

現在、日本人のがん死亡原因トップは肺癌です。また、和歌山県は肺癌死亡率が男性で全国最下位です。この汚名は早急に返上する必要があります。

東京医科大学外科Ⅰ講座(池田徳彦主任教授:呼吸器・甲状腺外科)は、日本屈指の肺癌手術件数を誇り、肺癌の研究・診断・治療において世界に誇る伝統と実績を有しています。同教室の同門である父と私は、共に肺癌の基礎研究に携わる機会を頂きました。

2011.12.4

辻 啓次郎

1972年、東京医科大学外科学教室1班(早田義博名誉教授)にて日本で初めて人の肺癌細胞の培養に成功:「人肺癌細胞由来一細胞株(PC-1)の樹立とその性状」(医学のあゆみ、83:762,1972)。

以降、各種組織型の人肺癌細胞培養株を樹立しました。この「PCシリーズ」は同教室の代表的な研究実績の一つとなり、日本癌学会のシンポジウムにも取り上げられ、「人癌細胞の培養」(大星幸一, 菅野晴夫編, 朝倉書店, 東京, p131-153, 1975)として出版されました。培養株樹立から40年経過した今も「PCシリーズ」は代表的な人肺癌細胞培養株として現存し、癌の基礎研究に広く利用されています。

人肺癌細胞培養株「PCシリーズ」(辻 啓次郎 樹立株のみ記載)

PC-1 : 低分化型扁平上皮癌
PC-2 : 中心型低分化腺癌
PC-3 : 中心型分化型腺癌
PC-4 : 中心型分化型腺癌
PC-5 : 低分化型扁平上皮癌
PC-6 : 燕麦細胞癌
PC-7 : 末梢型低分化腺癌
PC-8 : 中心型低分化腺癌
PC-9 : 分化型腺癌
PC-10 : 中等度分化型扁平上皮癌

人肺癌細胞以外にも、人胆管癌細胞培養株「H-1」の樹立や、動物実験用Cell lineの樹立に関与しました。

辻 興

幼い頃、父に連れられ研究室を訪れた私は、初めてシャーレの中でも急速に増殖する癌細胞の恐ろしい正体を知りました。実験動物の体を蝕む癌細胞をみてショックを受けた私も、結局父の研究に憧れ、父と同じ東京医科大学外科Ⅰ講座(加藤治文名誉教授、平野隆准教授)に入局し、父の開発した「PCシリーズ」を利用し解明されてきた細胞間接着因子(癌細胞の転移に係わる因子)の研究に携わりました。

Cytologic features based on the expression of E-cadherin and catenins in lung adenocarcinoma(Acta Cytologica 1999;43(3):381-9)

「転移を制するものは、癌を制す」とは国立がんセンター名誉総長・末舛恵一先生の言葉ですが、将来、欠損した接着因子の補充療法が確立されれば、癌の転移を抑制し、癌を制御できるかもしれません。



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