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ご挨拶・羅針盤

ご挨拶

外科内科辻医院 理事長 辻 啓次郎

当地で医院を開業して六十五年になります。

初代の辻 弘がビルマより無事復員してから、地元の患者様に大変御懇意にして頂きました。

その後を継承して地域医療をより充実する為に、日本の医療文化の一つであり、今も全国的に有用視されています十九床からなる有床診療所を採用し、三十年を経過しました。病床を持つことで患者様の急な病状の変化にも柔軟に対応でき、皆様に安心して御利用頂くことが出来ました。更に将来予想される医療の多様化にも対応し、また災害にも耐え得る診療所形態にする為、新たに医院を建て替えて、患者様に気持ち良くご利用して頂けます様に配慮を致しました。

これからも有床診療所の有用性を更に高めていきたいと思います。

2011年3月22日

羅針盤

外科内科辻医院 院長 辻 興

<過去>

港の傍にある当院の屋上からは、田辺湾が一望できます。南紀白浜の街並や、南方熊楠の神島、ナショナルトラスト運動の天神崎が望めます。

昭和二十年、祖父、辻 弘 が、田辺城(錦水城)の城跡である、この上屋敷町で医院を開業し、父、辻 啓次郎 が、有床診療所として継承しました。

父の背中を眺めながら、私も地域掛かり付け医の役割を学び、父と共に新たな有床診療所を作りました。

<現在>

戦後の入院施設の乏しい時代から、《有床診療所》は、「掛かり付け医が外来・入院・在宅診療を継続一貫して行う地域医療システム」として、地域での入院や看取り、救急医療を担ってきました。

しかし、近年の「病院は入院機能、診療所は外来機能を重視する」国の政策により、救急医療や入院治療は救急病院へ集約され、入院基本料の高い病院への入院集約により医療費の高沸を招きました。

一方で、安価な地域の駆け込み寺、有床診療所の入院機能は全く無視され、国の重要施策からは久しく排除されてきました。介護施設以下への入院基本料抑制により経営は逼迫し、この20年間で有床診療所は半減しました。無床化や院外薬局化は、掛かり付け医による救急医療や時間外診療への参入を困難にし、行き場を失った急患が地域救急病院に殺到し、勤務医の地方病院敬遠を助長し、地域医療崩壊を招いています。

今日の少子高齢化社会では、独居老人や老々介護世帯の増加により、家族による在宅での見守りは厳しくなり、医療従事者の乏しい僻地においては在宅診療や往診・訪問看護での充分な治療は困難になってきています。

24時間対応を求められる在宅療養支援診療所も地方では人材不足により実際に稼働できる状況にありません。その結果、夜間や休日、帰宅した家族や訪問ヘルパーに付き添われ、もしくは救急車で搬送されて、慣れない救急病院受診を余儀なくされる高齢者が増えています。そうした急患には本来、救急病院ではなく、住み慣れた地元の掛かり付け医による入院治療が望ましい場合も多く見受けられます。

有床診療所である当院は、院内薬局を温存することで時間外診療に対応し、「救急告示」せず空床確保に努めることで緊急入院にも対応しています。こうした先代から続く当院独自の診療方針は「病床削減」や「医薬分業」といった近年の医療政策に拮抗しています。しかし掛かり付け医の救急医療への参入は、地域医療崩壊を阻止する為に不可欠であり、《有床診療所》機能の活用が最も先進的で効率的な地域医療救済策であると当院は確信しています。

<未来>

二十一世紀を迎えました。誰もが便利で幸せな未来を想像していました。しかし現実には未曾有の少子高齢化の波が押し寄せ、天変地異にも見舞われ、拠点病院は高台に去りました。「住み慣れたこの地で天寿を全うしたい、させてあげたい」と望む地域住民の気持ちとは裏腹に、地域の医療・介護力は低下し、安心してこの地に住み続ける事は困難となりました。

三代に渡りこの地で地域医療に携わる当院は、取り残された地域医療難民の方舟となるべく、かけがえのない日本独自の救急医療システム《有床診療所》を継承し、「二十一世紀に適した有床診療所様式」への改編を進め、これからピークを迎える少子高齢化の大波に対峙する覚悟です。

2011年6月5日

医療法人 外科内科 辻医院

一般病床・医療療養型病床

和歌山県田辺市上屋敷3丁目11番14号 TEL.0739-22-0534 FAX.0739-22-0538