両親と中辺路町近露の熊野古道を歩いてきました。
午後からの出発で半日の為
近露王子~牛馬童子像のショートコース(往復)にしました。
山歩きの楽しさを教えてくれた元山岳部の父も今年85歳。
今度は私が連れていく番です。
ただ、クリニックで入院を診ていると
休日も自由が利くのは半日がやっと。
どうしても近場になってしまいます。
子ども達と前回訪れた時はインバウンドの外国人客で溢れていましたが
コロナ禍の今日、行程で出会ったのは日本人客1名のみ。
この行程は「古道歩きの里 ちかつゆ」にあった「古道歩き館」で
以前教えてもらったルート「古道歩き体験プラン」の一部。
残念なことに
今年1/4をもって「古道歩きの里 ちかつゆ」は閉館。
同館と熊野古道、なかへち美術館の組み合わせが
我が家の身近なコースだったので
コロナが憎いです。
コロナを撃退して
賑やかな熊野古道が戻って来ますように。
【新型コロナワクチンの種類と接種予定】
米国ファイザー/ビオンテック社の(BNT162b2)とモデルナ社の(mRNA-1273)という、m(メッセンジャー)RNAワクチン、英国アストラゼネカ社の(AZD1222)というウイルスベクターワクチンの3種類が予定されていますが、ファイザー/ビオンテック社のワクチンが先行して接種開始される予定です。ファイザー/ビオンテック社のワクチンは3週空けて2回接種、モデルナ社とアストラゼネカ社のワクチンは4週空けて2回の接種です。自己負担は無料です。田辺市の医療従事者には3月初め頃より接種が開始され、その後、65歳以上の高齢者、続いて基礎疾患のある方、高齢者施設従事者、一般の方々に接種が開始されます。高齢者には実施主体である田辺市より3月頃案内が送付される予定です。外科内科辻医院では対象スタッフの7割が3月の医療従事者枠での接種を申し込んでいますが、3割は辞退しています。多くはありませんがアナフィラキシー等の重篤な副作用が認められる為、スタッフへの接種の強制は出来ません。また、変異株への有効性が低下している懸念もありますが、接種して重篤な副作用が出る可能性と新型コロナウイルスに感染して重症化する可能性を比較すると、重篤なアレルギー反応の既往が無い人は是非接種すべきであると私は考えます。巷の噂に惑わされず、正確な情報を基に、自身が接種すべきか否かご判断頂きたいと思います。
先行して接種開始されるmRNAワクチンについて国立国際医療研究センター感染症医の忽那賢志先生の記事を参考に以下に要約して紹介します。
【ワクチンの効果】
2つのmRNAワクチンは大規模ランダム化比較試験によって、どちらもプラセボ群(偽薬:生理食塩水使用)と比較して90%以上という非常に高い効果が示されています。
ちなみにワクチンの予防効果90%とは、「90%の人には有効で、10%の人には効かない」 または「接種した人の 90%は罹らないが、10%の人は罹る」という意味ではなく、「ワクチンを接種しなかった人の発症率よりも接種した人の発症率のほうが90%少なかった」という意味であり、言い換えると「発症リスクが、10分の1になる」と言えます。
例えば、最も効果が高いワクチンの一つとしては麻疹ワクチンが挙げられ、予防効果は95%と言われています。一方、インフルエンザのワクチンは、一般的には50%程度の予防効果です。すでに人口の2割がワクチンを1回接種したというイスラエルでは、接種から7日以内に感染が確認されたのが4484人、8日から14日以内が3186人だったのに対し、15日から22日経過した人では、感染者数は353人だったとのことですので、1回の接種でもある程度の効果は見込めるようです。
【感染時の重症化を防ぐ効果】
ワクチンの効果には、感染を防ぐ効果とは別に「重症化を防ぐ効果」も期待されます。
感染を防ぐことはできなくても、ワクチン接種で重症化を防げるようになれば、非常に大きな価値があります。
ファイザー/ビオンテック社ワクチンでは重症化した10名のうち1例がワクチン接種群、9例がプラセボ群、モデルナ社ワクチンでは重症化した30名のうち0例がワクチン接種群、30例がプラセボ群となっており、重症化を防ぐ効果もあると言えます。
【高齢者・基礎疾患のある方への有効性】
新型コロナで重症化リスクが高いとされている、高齢者、基礎疾患のある人での有効性は、ファイザー/ビオンテック社のワクチンは「65歳以上のワクチン有効率94.7%」、モデルナ社のワクチンは「重症化リスク群のワクチン有効率90.9%、65歳以上のワクチン有効率86.4%」と発表されており、重症化リスクの高い人でも効果が期待できます。
【ワクチンの安全性】
どちらのmRNAワクチンも基本的には安全性に大きな問題はないと考えられます。
しかし、どんなワクチンであっても100%安全なものはありません。
軽微はものも含めるとほとんどの人になんらかの副反応は起こると考えられます。
最も頻度が高い副反応は注射した部位の痛みで、どちらのワクチンも6-9割くらいの人で痛みを訴え、特に接種後12~24時間は痛みが顕著。さらに、臨床研究に参加した人の約1%が「重度の」痛みであったとのことで、インフルエンザワクチンなどと比べてもかなり痛いワクチンだと思われます。
またワクチンを接種した部位はしばらく赤く腫れ、しこりができることがあります。
だるさや頭痛も比較的一般的な副反応のようですが、高熱が出ることは多くはないようです。
これらの副反応は一般的に数日以内に消失し、解熱薬にも反応します。
一般的に、副反応は高齢者よりも若年者の方が多く、2回目の接種では1回目よりも多くの副反応が起こるようです。
また、こうした副反応は具合の悪い高齢者の方にはときに危険となることもあるようです。
ノルウェイでは、衰弱した80歳以上の高齢者がワクチン接種後に発熱、嘔吐、下痢などの症状を訴えた後に亡くなられる事例が増えていると言われています。
衰弱した高齢者では接種するかどうか慎重に判断した方が良いかもしれません。
【ワクチン接種によるアナフィラキシー反応】
最も懸念される副反応はアナフィラキシー反応などのアレルギー反応です。
臨床研究ではワクチン接種群がプラセボ群と比べて特にアレルギーが多いというわけではありませんでしたが、アメリカやイギリスで接種が始まってからアナフィラキシーの事例が報告されています。
アナフィラキシーの原因と考えられているのは、両方のワクチンに含まれているポリエチレングリコール(PEG)と呼ばれる物質です。アメリカ疾病管理予防センター(CDC)はPEGやポリソルベートなどのPEG誘導体にアレルギーのある人はmRNAワクチンの接種を控えるよう推奨しています。
実際にアナフィラキシー反応がどれくらいの頻度で起こるのかについてですが、アメリカで190万人に1回目の接種をしたところ21人にアナフィラキシー反応が起こった、とのことです。つまりおよそ10万人に1人にアナフィラキシー反応が起こる計算になります。
(注:最新データではファイザー/モデルナ社ワクチンのアナフィラキシー反応の頻度は20万人に1人となっています)インフルエンザワクチンなど一般的なワクチンのアナフィラキシー反応の頻度は「100万人に1人」程度とされていますので、それと比べると頻度は高いと言えるでしょう。
しかし、例えばペニシリンという抗生物質では5000人に1人くらいの頻度で重度のアレルギー反応が起こるのと比べると、決して頻度が高いわけではありません。
71%の人が接種15分以内、86%の人が接種30分以内にアナフィラキシー反応が出現しており、ワクチン接種後30分程度は慎重に様子を見るようにしましょう。
アレルギーをお持ちの方は、接種するかどうか医師と相談して決めるようにしましょう。
現時点でワクチンの副反応の全てが分かっているわけではなく、特に長期間経過してから明らかになる副反応については今後明らかになる可能性もあります。
しかし、その他の予防接種では、重篤な副反応は通常投与後数日から数週間で起こるものであり、長期間経過してから現れる副反応は稀です。
【ワクチンの効果持続期間】
ワクチンの臨床研究は2020年の夏以降に実施されているものですので、どれくらい効果が持続するのかについては情報がありません。
モデルナ社のワクチンの第1相試験のデータからは、中和抗体が4ヶ月間持続していますが、実際の予防効果については分かりません。
今後、追加接種が必要なのか、いつ打つべきかについても分かっていません。
【無症候性感染の可能性】
ワクチンを接種して防げるのは感染そのものではなく、症状が出ることを防げるだけで感染はしてしまうのではないかという懸念は残っています。
ワクチンが無症候性感染をも防ぐことがはっきると分かるまではマスクの着用、3密の回避、こまめな手洗いは継続する必要があります。
【接種対象年齢】
現時点では小児に対するワクチン接種は推奨されません。
ファイザー/ビオンテック社のワクチンは16歳以上、モデルナ社のワクチンは18歳以上の患者を対象に臨床研究が行われており、国内での承認もまずはこの年齢層が対象になると考えられます。
【ワクチン接種が優先される基礎疾患】
厚生労働省ではワクチンの優先接種対象者を協議しており、医療従事者、高齢者、基礎疾患を有する方を優先することを決定しており、また高齢者等が入所・居住する社会福祉施設などの職員も高齢者に次ぐ接種順位とすることが協議されています。
ワクチン接種が優先される基礎疾患とは、
慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、慢性腎疾患、慢性肝疾患、神経疾患・神経筋疾患、血液疾患、糖尿病、疾患や治療に伴う免疫抑制状態(悪性腫瘍、関節リウマチ・膠原病、肥満を含む内分泌疾患、消化器疾患、HIV感染症など)などが検討されています。
新型コロナワクチン接種を国は「推奨」は出しますが「義務」ではなく、必ず接種をしなければならないわけではありません。
ワクチン接種をするかどうかは個人個人の判断に委ねられます。
ご自身の年齢、基礎疾患から接種によるメリットとデメリットを天秤にかけ、メリットが上回ると判断したときに接種するようにして下さい。
今年も
「辻医院の患者様とイストワールの入居者様へ」と
「紀伊民報」編集局長の 石井 晃 先生より
今年1/19に発行された
「水鉄砲抄2020」を御寄贈頂きました。
未曽有の疫病に見舞われた2020年という年が
どの様な年であったのか
今一度石井先生の記者の視点をお借りして
振り返ってみたいと思います。
辻医院と中屋敷イストワールのロビーに置かせて頂きます。
スマホで問診票を記入できる
メルプWeb問診を導入しました。
外科内科辻医院のホームページ「Web問診」よりお入り頂くか
QRコードをご利用下さい。
LINE形式で「外科内科辻医院 問診票」を記入していきます。
発熱の患者様、もしくは感冒症状の患者様は
新型コロナ感染症の院内感染防止のため、
予め外科内科辻医院に電話連絡(0739-22-0534)の上
スマホ、もしくはパソコンにて
メルプWeb問診票にご記入の上、送信下さい。
尚、初診、再診にかかわらず
発熱の患者様、もしくは感冒症状の患者様は
「発熱外来」を選択下さい。
設問事項にご回答の上、送信下さい。
「発熱外来」ご回答の患者様は
送信が済みましたら、携帯電話にてご連絡下さい。
駐車場の自動車内、または当院「発熱外来」にて診察となります。
お電話にてご案内致しますので携帯電話をお持ち下さい。
初診または当月初めて受診の「発熱外来」の患者様は
web問診の指示に従って
予め健康保険証の写真を撮影の上
アップロード頂きます。
尚、設問内容は
利便性向上の為
更新・改良されておりますので
このブログ画像と若干異なります。
ご了承下さい。
ご不明な点がありましたら、
外科内科辻医院までお電話下さい
メディコムの電子カルテシステムを一新しました。
前機種はSANYO medicom
今回はPanasonic medicomです。
電子カルテとレセコンが一体型となり
スッキリしました。
事務部門
検査室
診察室1
診察室2
1月18日より稼働となります。
操作はあまり変わっていませんが
慣れるまで少しご迷惑をお掛け致します。
ご理解の程宜しくお願い致します。
この度、入院部門の古くなった生体モニターを
全て一新しました。
全病床配備の有線LANにより
これまで通りナースステーションのセントラルモニターから
血圧測定等遠隔操作が可能です。
接触不良等トラブルの多かったLANケーブルも
専用型から汎用型に変更されています。
研修の後、実戦配備致します。
ベッドサイドモニター
セントラルモニター
今年のお正月は
元旦を含む三が日で3名の方をお看取りしました。
終末期医療を担う当院入院部門にとって
不可欠な医療機器です。
1/14PM7時より
全国有床診療所連絡協議会主催の役員対象ウェブ講演会にリモート参加しました。
座長の斎藤義郎全有協会長
演者は
日本医師会常任理事 松本吉郎先生
演題:「医師の働き方改革」
1.勤務実態とB・C水準
2.宿日直、オンコール、研鑽、研究、専門業務型裁量労働制とプロフェッショナル制、応召義務
3. 2024年に向けて
4. 外来機能の明確化・連携について
講演資料を和歌山県有床診療所協議会ホームページの
会員事務局発行資料「会員の皆様へ2021/1/14」にアップロード致しますので御一読下さい。
1~4は医大などから医師の派遣を受けている有床診療所の先生方にとって必聴の講演でした。
4が問題で
厚労省「医療計画の見直し等に関する検討会」(2020年12月3日)において
「外来機能報告(仮称)」を一般病床又は療養病床を有する医療機関に課せられる予定とのことで
入院医療と一体的に議論する観点等から、病床機能報告を行っている有床診療所も報告対象になったとのことです。
ちなみに無床診療所の外来機能報告は「任意」。一部に、他の医療機関からの紹介患者も含め、高額な医療機器等による検査を集中的に実施する無床診療所もあることを踏まえて、だそうです。
日本医師会からは、マンパワー不足や事務負担軽減の観点からも、有床診療所への最大限の猶予を強く要請済みとのことですが
病院の1/2~1/3の極めて安い有床診入院基本料で19床以下の病床を運営しているクリニックに
事務職員の負担を強いる病院同様の外来機能報告を課すのは如何なものかと思います。
明けましておめでとうございます。
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
南方熊楠邸(借景)の栴檀(センダン)の木を望む。
熊楠が臨終に際し思い浮かべた木(正確には花)。
「仏手柑(学名:Citrus medica var. sarcodactylus)」
インド東北部原産。
和歌山県でも作られ京阪神に出荷されています。
果実は芳香があり濃黄色に熟し、長楕円体で先が指のように分かれる。
名称はその形を合掌する両手に見立て、「仏の手」と美称したもの。
学名とは別に、英語では「Buddha’s hand」「fingered citron」とも呼ばれる。
不老長寿と珍重された柑橘で、肝臓病や熱さましの 漢方薬ともされている。
商売繁盛を祈って正月に飾られ、婚礼や その他慶事の際にも用いられている。
茶の湯の席の生け花に用いられることも多い。
一般の外来診療は本日で仕事納めです。
かかりつけの患者様は、休診期間中も発熱等の体調不良などありましたら
まずは当院までご相談下さい。
℡:0739-22-0534
午前8時30分頃にご相談頂ければ
元旦を除き午前9時よりご対応させて頂ける場合があります。
尚、緊急を要する場合にはご対応できません。
重症で急を要する場合は119番対応、
もしくは当番救急病院の受診をお願い致します。
未曽有のコロナ禍に見舞われた今年一年
皆様のご支援と御協力、本当に有難う御座いました。
来年は
ワクチンの接種開始と共に
アフターコロナの通常世界が待っていてくれますように。
◇年末・年始の外来休診日について
12月30日~1月3日は、当院の外来診療はお休みとなります。
予めご了承下さい。
(1月4日以降は通常診療となります)
◇年末・年始休診期間中の新型コロナウイルス感染症が疑われる発熱患者様の診療について
新型コロナウイルス感染症が疑われる発熱患者様は、
12月30日~1月3日の年末・年始休診期間中においては
充分な検査体制が確保できない為、当院では新型コロナウイルス感染症検査は出来ません。
検査可能な休日当番病院、もしくは田辺保健所(℡:0739-26-7933)にお電話にてご相談下さい。
◇12月30日~1月3日の外来予約診療について
12月29日までの通常診療時間内に、予め予約票をお渡し致しますので、マスク着用の上、予約時間に大浜通り入口(定期通院外来)のインターホンを押してお待ち下さい。検温の上入館頂きます。
注1)駐車場側入口は発熱外来の為、お入りになれません。
注2)事務・薬局がお休みの為、長時間お待ち頂く場合があります。予めご了承願います。
注3)院外薬局はお休みですので、院内処方となります。
注4)予約時間にご来院頂けない場合は予約時間迄にお電話にてご連絡下さい。
注5)電話連絡なく予約時間にご来院されない場合はキャンセルと致します。
◇年末・年始休診日の急患対応について
新型コロナウイルス感染症が疑われる発熱患者様は、年末・年始休診日の新型コロナウイルス感染症検査は出来ませんので
休日当番病院、もしくは田辺保健所(℡:0739-26-7933)にお電話にてご相談下さい。
当日午前8時30分迄に必ずお電話にてご相談下さい。
新型コロナ対策として37℃以上の発熱の有無、及び味覚嗅覚障害の有無につき必ずお電話にてお伝え下さい。
掛かりつけ患者様の急病には可能な限り対応させて頂きますが、医師不在等で診療体制がとれない場合は救急病院を受診願います。
注1)原則午前9時からの診察となります(元旦は午前10時からの予定)。
注2)予めお電話でお問い合わせ下さい。直接来院されてもお受けできませんのでご了承下さい。
注3)休日体制により人員配置が少なく、入院患者様への診療も行っている為、緊急を要する重症患者様への対応は困難です。緊急を要する場合は救急病院を受診願います。
注4)原則初診の患者様への対応は致しかねます。救急病院を受診下さい。
外科内科辻医院連絡先
℡:0739-22-0534